丹波地域の2つのローカル線
福知山線とは
JR福知山線は、兵庫県尼崎市から京都府福知山市を結ぶ路線で、丹波の自然や歴史を感じながら旅することができる魅力的な鉄道です。1891年に川辺馬車鉄道として始まり、軍都・大阪と軍港・舞鶴を結ぶ阪鶴鉄道を経て、1907年に国有化。現在はJR西日本が運営し、新大阪~福知山・城崎温泉間を結ぶ特急「こうのとり」号も運行しています。丹波の山々や田園風景を縫うように走り、通勤・通学の足としてはもちろん、のどかな車窓風景を求めて訪れる鉄道ファンや旅人にも親しまれています。四季折々の景色を楽しめる、心躍る路線です。

加古川線とは
2024年に全線開業100周年を迎えた加古川線は、兵庫県加古川市の加古川駅から丹波市の谷川駅までの48.5キロの距離を結ぶローカル線。1913年に「播州鉄道」として開業し、1943年に国有化しました。加古川の水運に代わる交通手段として整備されたため、市街地から少し離れた自然豊かな風景の中を走っています。阪神淡路大震災の際は迂回路線としても活躍しました。
沿線には播州織やそろばんなどの地場産業があり、人々の暮らしはもちろん、産業も支えてきた路線です。

元JR職員インタビュー
かつて福知山線・加古川線で運転士や車掌、保線係など、さまざまな職種で活躍されたOBの皆さんが集うJR職員OB会。今回は、その皆さんに両線にまつわるお話を伺いました。

各路線の思い出を教えてください
福知山線
1968年のことです。下滝と丹波大山の間、山南町阿草を走行中、急行だいせん4号が脱線しました。あの日は霧が深く、カーブに差しかかった瞬間、線路上に土砂があるのが見え、列車は石に乗り上げる形で停車。幸い乗客269人全員が無事でした。 私は運転助手として乗っており、負傷しながらも、まず乗客の無事を確認し、すぐに下滝駅まで走って報告に向かいました。転落を防げたことで局長表彰もいただきましたが、何より命が守れたことが一番でした。
加古川線
昔の谷川駅は、本当に印象的な場所でした。私が初めて配属されたのもこの駅で、今でも鮮明に覚えています。山陰方面から西脇の紡績工場を目指す女工さんたちが、集団就職列車に揺られてやって来ていたんです。当時はなんと7両編成という長さで、駅構内は活気にあふれていました。夏になると、天橋立を目指す臨時の海水浴列車も運行され、駅はひときわ賑やかでしたね。

各路線の魅力を教えてください
福知山線
なんといっても見どころは、川代渓谷の景色。
普段はのどかな田園風景が広がる丹波の中で、ここだけはまるで別世界のような雰囲気。篠山川の上流に沿って約4キロにわたる渓谷で、ゴツゴツした奇岩や怪石が並び、本当に美しいんです。それから、沿線に残る国鉄時代の名残も見どころ。丹波竹田駅や市島駅には、昔のままの低いホームが残っていて、蒸気機関車が走っていた頃の雰囲気が味わえますし、柏原駅のホームにある鋳鉄製の跨線橋には「鉄道院」の文字がしっかり残っていて、歴史を感じられますよ。

加古川線
加古川線は、探検しているような気分になれるのが魅力なんです。のどかな田園風景の中を走っているかと思えば、急に線路と民家の距離がぐっと近づいてきて、まるで人々の暮らしの中をすり抜けていくような感覚になるんです。この独特の距離感が、他の路線にはない魅力ですね。 最近では、谷川駅の待合室に「ちーたん文庫」が設置されました。文庫には絵本から大人向けの本まで揃っていて、貸し出しも可能。電車に揺られながら本を読むという、ちょっと贅沢な時間も楽しめますよ。

篠山口駅
鉄道旅の楽しみといえば駅弁。
篠山口駅では毎週日曜・木曜に「新デカンショ弁当」を販売しています。
ピンクののぼりが目印。

地元の声で2024年に復活した駅弁で、丹波篠山産の米・野菜・肉・黒大豆などを使用。
車窓を眺めながら味わう、贅沢なひとときが楽しめます。

施設情報
- 施設名
- 丹波篠山まつかぜ屋(丹波篠山スクエア)
- 住 所
- 丹波篠山市大沢165番地3 JR篠山口駅改札口横
- TEL
- 079-594-5454
- 営業日
- 毎週日曜・木曜(一部休日)
- 備考
- 数量限定のため、完売次第終了
アクセスマップ
カーシェア・レンタサイクル・タクシー・路線バス・コミュニティバスで丹波地域を堪能!2次交通を使って篠山城下町へアクセス!
路線バス/コミュニティバス
タクシー
- 運営会社
- 日本交通株式会社篠山口営業所
- 住所
- 丹波篠山市大沢165
- TEL
- 079-594-1188
- 営業時間
- 7:00~24:30
カーシェア
レンタサイクル
- 運営会社
- JR篠山口駅東口サイクルポート
- 住所
- 丹波篠山市大沢 字高伏の坪170-18
- TEL
- 079-506-1535
- 営業時間
- 9:00~17:00(11月は16:00まで)
※冬季12月~2月は休業
- HP
- 詳細はこちら

古市駅
古市駅から徒歩15分。
煉瓦煙突が印象的な狩場一酒造に到着しました。

事前予約で参加できる酒蔵見学では、蔵内を見ながら酒造りの行程を知ることができる他、夏は普段立ち入ることができない麹室の見学、2月には搾りたてのお酒を利酒することもできるんです。季節によっていろんな楽しみ方があるのは嬉しいですね。

釜や酒樽を目にしながら、手間ひまを惜しまない酒造りの姿勢に心を打たれました。
お買い物タイムでは試飲をしながら好みの一本を選べるのも魅力です。

蔵人の思いに触れた後に味わう一杯は格別で、日本酒の奥深さを実感しました。
施設情報
- 施設名
- 狩場一酒造
- 住 所
- 丹波篠山市波賀野500
- TEL
- 079-595-0040
- 営業時間
- 10:00~18:30
- 定休日
- 年中無休(お正月を除く)
アクセスマップ
柏原駅
柏原駅構内の「山の駅」で販売されている「豚めし」は、出来立てほかほかの珍しい駅弁。丹波ポークや地元野菜を使い、無添加・手作りにこだわっています。
立ちのぼる温かな香りと肉の旨みが食欲をかき立て、ひと口ごとに心まで温まる味わい。
リピーターの方も多く、旅のお供にぴったりの一品です。

ちなみに柏原駅の建物は「国際花と緑の博覧会」で使用されていたドリームエキスプレスの「山の駅」を移築したものなので駅舎も楽しんで。

施設情報
- 施設名
- レストラン 山の駅
- 住 所
- 丹波市柏原町柏原1146-1
- TEL
- 0795-72-4402
- 営業時間
- 8:00~18:00
- 定休日
- 火曜日
- 備考
- 駅での受け渡しをご希望の場合は事前にお問い合わせください。
アクセスマップ
柏原駅を降りると織田家ゆかりの城下町が広がっています。

蕎麦と料理 和さび
つるつるした喉越しがクセになる絶品蕎麦が楽しめる「蕎麦と料理 和さび」。

築160年の武家屋敷をリノベーションした趣のある店内でランチをいただきます。

彩豊かな9種類の小鉢が入った先附やサクサクの天ぷら、デザートなどボリューム満点。

蕎麦はつゆと塩の二つの味が楽しめます。
塩は、蕎麦にふりかけることにより風味が引き立てられる通な食べ方なんだそう。
毎朝手打ちしている蕎麦は、月毎に違う産地の蕎麦粉を使用しているため、訪れるたびに新しい味に出会えるのも魅力です。
施設情報
- 施設名
- 蕎麦と料理 和さび
- 住 所
- 丹波市柏原町柏原574-2
- TEL
- 0795-72-0028
- 営業時間
- 11:00~14:30
- 定休日
- 火曜日
アクセスマップ
市島駅
市島駅から徒歩10分の場所に位置する「山名酒造」は、1716年創業の歴史ある酒蔵。

地元の素材や風土を大切にした酒造りを行いたいという思いから、5年前より丹波杜氏が江戸時代に行っていた、酒造りの原点でもある「木酛造り」に挑んでいます。
今回は特別に酒蔵を見学させていただきました。
ちなみに年に一度開催される酒蔵まつりでは、酒蔵を見学することが可能だそう。

道具も近代的なものから、江戸時代に使用していたものに移行しており、全国でもごく限られた酒蔵でしか使用していない木桶を使い、完全無添加で仕込んでいるんだそう。
巨大な木桶が並ぶ姿は圧巻。

一つ一つの行程をお聞きすると、本当に丁寧に造られているんだなと感じました。
お酒の味は豊かで深みがあり、伝統が息づく贅沢な一杯です。

施設情報
アクセスマップ
黒井駅
奥丹波の盟主であった赤井(荻野)氏の居城跡で、明智光秀の猛攻を何度も退けた堅城。
素晴らしい雲海が見られるのは9月下旬から12月上旬の晴れた早朝。

久下村駅
一歩足を踏み入れると、壁を突き破る巨大な丹波竜がお出迎えしてくれる「たんば恐竜博物館」。

2025年7月12日にリニューアルオープンしました。
ここでしか見ることのできない丹波竜の全身骨格をはじめ、発掘された瞬間の地層から化石が突き出ている様子も展示されています。

様々な恐竜の骨格模型や気づけば夢中になっているティラノサウルスの頭骨パズル、気になった恐竜をすぐに調べることができる図書スペースなど、子どもから大人まで楽しめるのが魅力です。

施設情報
- 施設名
- たんば恐竜博物館
- 住 所
- 丹波市山南町谷川1110
- TEL
- 0795-77-1887
- 営業時間
- 10:00~17:00(11/1~3/31は10:00~16:00)
※入館は閉館の30分前までにお願い致します
- 定休日
- 月曜日・年末年始(12/29~1/3)ただし7/15~8/31は無休
- 入館料
- 大人(高校生以上)300円 小中学生100円
アクセスマップ